今日は資産形成振り返りシリーズから少し離れて、生活費の削減に直結する株主優待を8つご紹介します。
長期投資のコアはやはりインデックス投資だと思いますし、日本株の個別銘柄なら大型の高配当株を中心に考えるのが堅実です。ただ、株主優待があると楽しさが増しますし、日々の生活費を圧縮する効果も期待できます。少し遊びを取り入れたいときには、こうした銘柄を組み込んで投資資金に余裕を持たせるのも良い戦略だと思います。
優待の内容や各社の業績状況についても踏まえて、長期的に保有することを検討しても良いと思える銘柄を選んでみました。
(1)楽天グループ(4755)
- 株価:900円
- 株主優待
- 配当:無配
- 権利月:12月
楽天モバイルの月30GBのデータ+音声の1年間無料SIMがもらえます。物理SIM・eSIMを選べ、デュアルSIM端末なら「音声は他社・データは優待SIM」という節約スタイルも可能です。
我が家では夫婦で100株ずつ保有し、電話番号維持用の楽天モバイル回線とこちらの株主優待SIMを併用しています。楽天モバイルは Rakuten Link を利用すると電話も無料で利用できます。家族割も使って、通信費は一人当たり月880円(税抜)です。楽天モバイル回線は海外ローミングが月2GB利用できるのですが、こちらの優待SIMも同様のため、メイン回線と合わせて一人当たり合計4GBの海外ローミングも利用できます。1週間程度の海外滞在であれば、現地SIMやモバイル Wi-Fi 等の調達を考えなくてよいため地味に便利です。
楽天経済圏もよく利用していますし、優待内容としても生活費の削減につながるインパクトが強いので、実利と応援兼ねて保有しています。
ここがポイント
- 株価は一時期500円近くまで下がったがここ1〜2年は回復基調で900円くらいまで戻してきました。
- 楽天モバイルの事業がどうにか立ち上がってきたことで、グループ全体でも単月の黒字化まで戻ってきました。
- 優待内容は変更されやすい印象があるため、長期安定性には注意
(2)U-NEXT HOLDINGS(9418)
- 株価:2,041円
- 株主優待
- 100株:U-NEXT 90日利用クーポン(1,000ポイント付き)×年2回
- 1000株:U-NEXT 1年分利用クーポン(毎月1,800ポイント付与)×年2回
- 配当:14円(配当利回り0.7%)
- 権利月:2月・8月
100株保有でU-NEXT90日間利用クーポンとU-NEXT内で利用できる1,000ポイントが年2回いただけます。
1000株保有になると、1年分のクーポンになり毎月1,800ポイントになります。
我が家では、夫婦でそれぞれ1単元ずつ持つことで、年間360日分の利用をカバー可能。
U-NEXTのメインアカウントの下で、それぞれのサブアカウントも発行できるため、アカウントも共有して利用できます。
こちらを導入した上で通年で契約していたNetflixを解約し、U-NEXTを軸にしながら、他サービスは見たい作品がある時だけ短期契約するというスタイルに切り替えました。
配当は少ないですが、業績も堅調でサッカーパックや映画製作など新しいサービスにもトライしています。
個人的な印象では、国内企業の動画配信サービスでは頭ひとつ抜けた印象があります。
ここがポイント
- 2024年11月に株式分割を経て買いやすい価格帯に
- 売上高は過去最高を更新、国内動画配信で存在感を強めている
- 株価も堅実に上昇中
- 株価:1,763円
- 株主優待
- 100株:ABEMAプレミアム3カ月
- 500株:ABEMAプレミアム12カ月
- 配当:17円(配当利回り1.0%)
- 権利月:9月
ABEMAプレミアムの無料利用クーポンが優待でいただけます。
ABEMAを日常的に利用する人におすすめです。
我が家では、数年前はプレミアリーグの放映権を持っていた時期もあり、保有していたタイミングもありましたが、個人の動画視聴習慣とした直近はABEMAプレミアムを利用することがかなり少なかったため、現在は手放しています。
サイバーエージェントの株価と業績は非常に好調で、去年などは1株800円−1000円くらいという印象でしたが、直近では1,763円まで成長しており少しびっくりしました。
ここがポイント
- 「ウマ娘」などヒット作に業績が左右されやすい
- 直近は増収増益と好調で株価も2025年に入ってから70%程度上昇している
(4)JMホールディングス(3539)
- 株価:2,819円
- 株主優待(1年以上の継続保有が必須)
- 100株:お肉セット(2,500円分/年1回)/ 自社グループ商品券2,500円分 / コシヒカリ2kg から1点を選択
- 500株:お肉セット(3,500円分/年1回)/ 自社グループ商品券3,500円分 / コシヒカリ3kg から1点を選択
- 1000株:お肉セット(5,000円分/年1回)/ 自社グループ商品券5,000円分 / コシヒカリ5kg から1点を選択
- 10000株:お肉セット(10,000円分/年1回)/ 自社グループ商品券10,000円分 / コシヒカリ10kg から1点を選択
- 配当:44円(配当利回り1.6%)
- 権利月:7月
「肉のハナマサ」のお肉セットがそのまま届くため、直接的に食費削減につながります。
2,500円のセットだと、以下のような組み合わせになります。
・国産鶏ムネ肉 2kg
・沖縄琉香豚ばら肉薄切り 500g
・沖縄琉香豚切り落とし 500g
物価高が続くなかで、自炊を始める人もいるでしょうしハナマサのような安さに特色のあるスーパーは需要があると思っています。それを裏付けるように、業績も堅調で株価も安定的に推移している印象です。配当も徐々にですが、増配を行ってくれています。
我が家では、個別株を始めた初期に購入してそのまま1単元をずっと保有しています。
1年の継続保有が条件にはなりますが、自炊をする方であればダイレクトに食費を削減できるので、とりあえず持っておいても良い銘柄かと思います。
ここがポイント
- 物価高のなかで独自性を発揮する業務スーパー系
- 今期も増収増益で堅調。配当も地道に増配が続いている。
- 株価も安定推移が見込まれる
(5)シンシア(7782)
- 株価:586円
- 株主優待
- 自社サイト割引券
- 100株(保有期間1年未満):30%割引券(割引前購入価格上限40,000円)/枚
- 100株(保有期間1年以上):40%割引券(割引前購入価格上限40,000円)/枚
- 200株(保有期間1年未満):40%割引券(割引前購入価格上限40,000円)/枚
- 200株(保有期間1年以上):50%割引券(割引前購入価格上限40,000円)/枚
- 1000株(保有期間1年未満):50%割引券(割引前購入価格上限40,000円)/枚
- 1000株(保有期間1年以上):60%割引券(割引前購入価格上限40,000円)/枚
- QUOカード
- 配当:13円(配当利回り2.2%)
- 権利月:12月
シンシアは、東証スタンダード市場に上場するコンタクトレンズのファブレスメーカーで、企画から販売までを一貫して手掛けている会社です。自社工場を持たず外部生産を活用する形で効率的に事業を展開しています。低価格帯から高機能レンズまで幅広く展開しています。
業績としては、コンタクトレンズ需要の底堅さから、近年は毎年増収基調です。ただ、為替や資材価格の影響は受けるので、利益ベースではやや不安定なところもあります。配当については業績連動なので、安定性に欠けるところもあります。株主優待としては、手厚く自社サイトでの割引券とQUOカードがいただけます。
我が家では、200株が保有効率が良いと考え200株を長期保有しています。
妻が、以前はワンデーコンタクトレンズのサブスクを利用していて、月額5,000円程度かかっていましたが、ここ数年はこちらの優待を利用してシンシアのワンデーコンタクトレンズを年1回まとめ買いする形にしています。4万円分のコンタクトレンズを50%割引で2万円程度になります。
眼鏡との併用なので、毎日利用するわけではないようなので、そちらで十分賄えるようです。
医療品になるため、小ロットで1回買って妻に試してもらってから、株を購入してこのサイクルに整えていきました。
小型株になるので、やや安定性は欠けるところはありますが、配当も低くはないですし、優待もメリットがある人には大きいので、コンタクトレンズを常用されている方は検討の余地があるかと思います。
ここがポイント
- 2025年12月期上期は大幅な増収増益。
- 売上は拡大中だが、為替や資材コストの影響は受けやすい。
- 小型株なので株価の振れには注意が必要
(6)ジンズホールディングス(3046)
JINSの株主優待では、100株以上の株主に対して年間1回、株主優待券(9,000円+税分、税込9,900円相当)がいただけます。この優待券は、JINSの日本国内直営店またはJINSオンラインショップで利用でき、メガネ本体やレンズ交換、小物などにも使えます。
我が家では、競争は激しいですがクロス取引で取得できるときは取得しています。
そのうち買って長期保有しようとぼやぼやしているうちに、しっかり株価も上がってしまったので、少し手を出せていない状況です。メガネを利用される方は、何かと購入やメンテナンスにお金がかかると思うので、毎年1万円近くのクーポンがいただけると有用なのではないかと思います。
株価が上昇しているということからわかるように、増収増益で業績も堅調で、自己資本比率などの財務基盤も強化されていることから、経営的な手腕も期待できるのではないでしょうか。
ここがポイント
- 2025年8月期第3四半期まで増収増益で推移
- 通期も増収増益予想を据え置き
- 自己資本比率が改善し財務基盤も強化
(7)イオン(8267)
- 株価:1,773.5円
- 株主優待:イオンの優待は少し複雑なので文章で記載
- 配当:13.67円(配当利回り0.77%)
- 権利月:2月・8月
イオンモールやイオン系列店を利用する方には恩恵が多いイオンです。
イオンの株主になると、イオンオーナーズカードというカードをいただけます。
優待株主本人用と家族用の合計2枚がいただけます。また、株主本人用のカードは iAEON というアプリに登録して紐づけることもできます。
このオーナーズカードに、優待の特典がいろいろと紐づいています。
一番大きいのは、イオンやマックスバリュ、マルナカやマルエツといったイオン系列スーパーマーケットで購入時に、オーナーズカードを提示することで保有株数に応じてキャッシュバックがいただけることです。100株だと1%、200株で2%、300株で3%、500株で4%、1000株で7%のキャッシュバックになります。
このキャッシュバックは現金か、WAON POINTかを選択できて、半年ごとにまとめて還元という形になります。
また、イオンに併設されているイオンラウンジが利用でき、買い物中に腰を少し落ち着けることができます。
株主本人と同伴者1名の2名まで利用することができ、月あたり8回まで利用できます。
現行30分ごとの予約制となっており、人気店では満席のことも多いため、使い勝手は少し悪いです。
また、イオンラウンジでは、トップバリュの飲み物などが一人一ついただけます。
他に、イオンシネマでの映画鑑賞料金が大人1,000円、学生800円になります。
インターネット予約などはできず、店舗の端末で予約発券する必要があります。
イオンシネマに行き、まずは映画を予約発券し、イオン内で時間を少し使ってから映画鑑賞するという流れになるかと思います。
その他、メガスポーツやイオングループの飲食店などでも、オーナーズカード提示で5%などの割引があります。
我が家では、地元のイオンまで徒歩で30分以内くらいの位置に住んでいるので、イオンはかなり重宝して利用しています。
映画も見ますし、ダイエットも兼ねた散歩がてらイオンラウンジまで行き、飲み物をいただいてきて備蓄したりもしています。
イオン系列のスーパーやイオンを利用される方は保有を検討しても良い銘柄かと思います。
イオンはクレジットカードやオーナーズカード、お客様感謝デー、系列店や専門店など割引の仕組みも複合的なので、そのうちイオンやイオンモールの効率的な利用方法について掘り下げて整理したいですね。
例えば、おそらく想像ですが、イオンモールに入っている無印良品などなら、良品計画の優待の7%割引と、イオンゴールドカードの引き落とし時の5%割引が併用できる気がするので、イオンのお客様感謝デーに購入すれば安定して12%の割引は受けられる気がします(未確認です)
ここがポイント
- 2025年2月期決算は売上最高更新も営業減益
- 個人株主が99%を占めるユニークな構成。個人株主向けの優待などの還元もある。
- 時価総額でセブン&アイを抜き、小売国内2位に浮上
- 株価:1,708円
- 株主優待
- 100株(保有1年以上):イエローハット他系列店舗で使える3,000円分クーポン+ウォッシャー液交換券 ×年2回
- 200株(保有1年以上):イエローハット他系列店舗で使える4,500円分クーポン+ウォッシャー液交換券 ×年2回
- 配当:58円(配当利回り3.4%)
- 権利月:3月・9月
イエローハット他系列店で利用できるクーポン券とウォッシャー液の交換券が年2回もらえます。
使い方としては3,000円分であれば、300円券が10枚、4,500円分であれば15枚という形になります。
1,000円の購入に対して、300円券が1枚利用可能なので、10,000円の利用に対して3,000円の割引という形になります。
このクーポン券ですが、車やバイク関係の備品の購入はもちろんですが、車検時の整備費にも利用することができます。
例えば、車検の法定費用が5万円程度で、整備費が5万円の合計10万円だとすると、この整備費5万円の部分にはクーポンが利用できます。
半年ごとに優待をいただけて、それぞれ有効期間が1年ほどなので1年分の優待券を車検費用に当てることができます。
我が家では、夫婦それぞれで100株ずつ保有しており、合計で年間12,000円分のクーポン券をいただいています。
そちらを、オイル交換の費用や車検の費用に当てることで、車関連の維持費を少しでも最適化しています。
また、イエローハットの系列店でスポーツ自転車専門店のワイズロードなどもあるので、ロードバイクユーザーにもおすすめです。
ここがポイント
- 2025年3月期は増収増益を達成
- 2026年3月期1Qも最高益更新と絶好調
まとめ
株主優待は、配当とは違って**「生活コストの現物削減効果」**があります。特に通信費・食費・サブスク・車の維持費など固定費に直結する優待は、実際の家計改善につながりやすいです。
堅実なインデックス投資を軸にしつつ、こうした優待銘柄を組み合わせることで、投資生活をより楽しみながら豊かにできるのではないでしょうか。
初めてまとめ記事を作ってみましたが、ついつい分量がながくなりがちですね。
注意事項(ディスクレーマー)
- 株価や株主優待の内容、配当等は2025年9月6日現在の情報です。今後変更の可能性がありますので、最新情報は各社IRをご確認ください。
- 個別銘柄に関するコメントは個人的な見解であり、株価の上昇を保証するものではありません。
- 記事内容は十分に調べていますが誤りがある可能性もあります。最終的な投資判断は必ずご自身でお願いします。
最近ブログを書き始めて、とりあえず自己紹介がてら今までの資産形成の振り返りなども書いているので、興味があったら覗いていってください。
【資産形成の振り返り③】2000万円から3000万円まで
https://slothlife.hatenablog.jp/entry/2025/09/03/233244
【資産形成の振り返り②】1000万円から2000万円まで
https://slothlife.hatenablog.jp/entry/2025/09/02/015022
【資産形成の振り返り①】1000万円への道
https://slothlife.hatenablog.jp/entry/2025/08/31/190019
はじめまして、Sloth Lifeです
https://slothlife.hatenablog.jp/entry/2025/08/30/234408