前回は「2000万円から3000万円まで」の資産形成を振り返りました。 ざっくり振り返ると、
- 0円 → 1000万円:5〜6年
- 1000万円 → 2000万円:2年半
- 2000万円 → 3000万円:11か月
という感じで、だんだん加速していくのを実感しました。いわゆる複利の力ですね。 今回はその続き、3000万円から4000万円までの話です。投資の状況だけでなく、心境の変化や生活の動きも含めて残しておこうと思います。
1年半での到達、でもモヤモヤも
資産が3000万円を超えたのは2024年2月末。4000万円に届いたのは2025年7月なので、だいたい1年半弱かかりました。 「2000万円→3000万円」が11か月だったので、そのスピードを知ってしまったあとだと「あれ、今回は意外と時間かかったな」と感じました。もちろん相場はそんなに都合よく右肩上がりになるわけじゃないんですが、どうしても期待してしまうんですよね。
特にこの時期は米国株が不安定で、「トランプ・ショック」でドーンと下げては回復、みたいな動きが続きました。理解はしてるつもりでも、やっぱりフラストレーションを感じました。
妄想とシミュレーションの罠
3000万円を超えたあたりから、いわゆる野村證券の分類で「アッパーマス層」に入ったことになります。 それを意識したせいか、「5000万円ぐらいになったらいつFIREするか考えようかな」とか「このペースならどこまで行けるんだろう」みたいな、根拠のない妄想をよくしていました。
気づけばエクセルでシミュレーションを繰り返したり、「いやいや、もっと早く増やしたい」と欲が膨らんだり。意味のないことだと頭では分かっていても、資産が増えてくると逆に余計な思考にとらわれやすいんだなと感じます。
新NISAと投資の方針
2024年から始まった新NISAですが、基本方針としては積立枠・成長投資枠ともに毎年フル活用する作戦にしました。基本は新規資金で埋めますが、足りないときは既存資産を少し取り崩す形です。2024年については、もともと所有していた個別株の一部を売却して新NISAの枠での買い直しをして、全額を埋めました。
新NISAについては、理想は最終的に両枠ともインデックス投信で埋めることが最適解だと思っています。ただ、投資可能額は限りがありますし、手元のキャッシュフローも欲しかったので、当面の間成長投資枠は高配当株を入れつつ、一旦5年間で1800万円全額を埋めた後に、徐々に個別株部分を投信に置き換えていくつもりです。
正直「投信が正解の可能性が一番高い」と思いつつも、やっぱり目に見える配当も嬉しいんですよね。そこは感情との折り合いをつけながら、少しずつ整えていこうと考えています。
地方移住と家族のこと
資産額とは直接関係ないですが、2024年には東京から地方に移住しました。会社がリモートOKだったのと、東京で住んでいた家を都合があり出ていく必要があったので、妻と「じゃあもう東京じゃなくてもいいよね」と話していたのがきっかけです。
どこに引っ越すかはなかなか決まらず、「今日は北海道、明日は沖縄」のように、毎日のように行きたい移住先が変わってしまう状況でした。最終的には関東圏を離れてみようということでいくつか候補を出し、実際に現地まで下見に行ったりしながら移住先を決めました。その後、役所の移住課と連携したり、再度賃貸の家を探しに行ったり……準備自体も楽しい思い出です。
この時期は実家にもよく通い、病気をした父と家族信託を組んで父の資産運用も始めました。個人の資産形成と並行して「両親の老後の生活資金」や「家族の資産をどう守るか」などを家族内でもいろいろと整理を進めていたのですが、それらが形になって実務的に動き出したことで、両親との関わり方についても深く考える時期になりました。
仕事のモチベーションと「資産の使い方」
一方ですが、この頃から仕事へのモチベーションが下がってきました。リモートとはいえ、地方に移ると会社の中での立ち位置は傍流になった感覚があります。さらに「これ以上、上を目指して頑張りたいか?」と聞かれると、自分の答えはNoでした。
また、資産が3500万円を超えた頃からは、「貯める」だけじゃなく「どう使うか」も考えるようになりました。生活自体はすでに最適化されていて、特に不満もないし物欲もそこまでない。だからこそ、使うことも積極的に意識していかないと、自然と使わない判断をいろいろな場面でしていってしまうなと感じました。
ただ、やみくもに取り崩す資産を取り崩すという選択肢はなく、入金するペースも減らしたくはない。また、使っても良いと思えることに対して、どう枠組みを作って使っていくかが悩みでした。そこで考えた結果、2025年からは個別株の配当を「海外旅行費」にあてることにしました。妻と年3回海外に行くことを目標に、今年はすでに台湾や中国へ行ってきました。ツアーは使わず個人で手配するので調べることも多いですが、それも含めて楽しい時間です。
4000万円到達、そして次へ
そんなふうに生活や心境が変わる中で、「早く増えてほしい」と思っていた気持ちもだいぶ薄れていって、むしろ旅行や家族との時間に意識が向くようになっていました。2025年7月に資産4000万円を超えたのは、ちょうど中国旅行中でした。
仕事とFIREだけの関係性で資産形成を捉えると、資産が一定額以上になったときにどうしても期待値を引き上げてしまいがちです。とはいえ、長期インデックス投資は市場の成長に乗っかる投資なので、定期的に入金する以外にできることは基本ありません。
人間なのでそこに囚われることはありますが、そういうときこそ新しいことを始めたり夢中になれるものを探しに行ったほうが、生活が面白くなる気がします。
次回は、4000万円から現在、そしてこれからについて振り返り、このシリーズを締めくくろうと思います。どうぞ最後までお付き合いいただければと思います。
【資産形成の振り返り③】2000万円から3000万円まで https://slothlife.hatenablog.jp/entry/2025/09/03/233244
【資産形成の振り返り②】1000万円から2000万円まで https://slothlife.hatenablog.jp/entry/2025/09/02/015022
【資産形成の振り返り①】1000万円への道 https://slothlife.hatenablog.jp/entry/2025/08/31/190019
はじめまして、Sloth Lifeです https://slothlife.hatenablog.jp/entry/2025/08/30/234408